介護士の業務の中で、看護師は日常的にかかわることが多い職種です。ほとんどの事業所で、介護士と看護師は連携してケアにあたっています。でも、トラブルが起こることもしばしば。介護士と看護師の間に起こりやすいトラブルの内容をご紹介します。

トラブル例その1 介護士vs看護師の勢力争い

介護士と看護師。本来は、対等に連携しあう関係のはず。ですが、現場の主導権争いを繰り広げてしまうことがあります。看護師が介護士を下に見る、威圧的な態度をとる、業務の範囲を超えて命令する…。このような看護師の言動は、よくある対人トラブルの種です。逆に、介護士の言動がトラブルの引き金になることもあります。介護士が看護師の助言を聞き入れない、「看護師は楽でいいね」などの嫌味を言う、看護師が利用者と関わる機会を持ちづらい雰囲気を作る…などです。このような介護士対看護師のマウント合戦、経験したことのある方も多いのではないでしょうか。

介護士と看護師はそれぞれ、介護と看護という違った領域の専門職です。どちらが偉いとか、より専門的な職業である、といった比較はできません。違った得意分野と視点をもつ職種が連携するからこそ、質の高いケアが可能になるのです。だから、他職種を威圧して現場の主導権を握ろうとする言動はNG。人間関係がギスギスするだけでなく、連携を乱して利用者さんの不利益につながります。他職種に威圧しない・させないことが大切です。

トラブル例その2 過剰なすみわけと連携ミス

介護士と看護師の専門性の違いを意識するあまり、互いの交流がほとんどなくなりケアにトラブルが起こりやすくなってしまうことがあります。オムツ交換は介護士の仕事なので看護師は見に来ることもない、バイタル測定は看護師の仕事なので介護士は数値を気にしたことが無い…。業務を過剰にすみわけてしまい、違う職種との間で情報が行き来しないと、連携ができなくなってしまいます。そうなると、利用者さんの健康にとって非常に危険です。

利用者さんの体調不良や健康上のトラブルは、非常に小さな変化から始まります。例えば、褥瘡や皮膚の剥離の初期症状は、ほんの少しの皮膚の赤みです。毎日関わっている介護士は、じわじわと進行する症状に気づきにくい時があります。おしりが少し赤いけれど、軽いオムツかぶれかな?、ズボンのゴムの跡かな?と流してしまうことがあります。気づいたときには深刻な炎症に…なんてことも。このような時に、気軽に看護師に相談できる環境があれば、健康トラブルが深刻化するのを避けられる可能性が高まります。役割分担はいいですが、連携ができなくなってしまうほどの断絶は避けるべきです。

トラブル例その3 ケアの方針で対立

利用者さんへのかかわり方や健康管理などをめぐって、介護士と看護師で方針が対立してしまうことがあります。看護師は利用者さんの生活に制約をつけるようなことばかり提案する…、介護士が提案することは理想論ばかりでリスクが高すぎる…。向き合っている利用者さんが同じでも、介護士と看護師の考えるケアは違っていることがよくあります。

その原因は、バックグラウンドの違い。介護士は福祉分野の専門職、看護師は医療分野の専門職です。福祉分野では、利用者さんの元々持っている生活スタイルを重視して、ケアによって生活を支えていこうとします。一方で、医療分野では利用者さんの健康状態を重視して、必要に応じて生活を改善しようとします。この違いは、どちらが良いというものではありません。利用者さんの状況に応じて、生活と健康のどちらを重視するべきなのかを協力して検討していきたいものです。

介護士と看護師 互いの専門性を尊重しあってトラブルを避けよう

介護士と看護師は、協力し合ってケアを作っていく専門職同士です。それぞれが全く違う専門性を持っています。これを忘れてしまうと、派閥争い・情報の断絶・意見の衝突といったトラブルが起こってしまいます。相手の専門性を認める、対等な立場で話し合う、無意味なマウンティングには取り合わない、といった対処が有効です。トラブルを避けて、連携をとっていきましょう。